マネーデータベース製薬会社と医師

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患者とその家族、ご友人のみなさまへ

かかりつけ医がいつも処方している薬は、効果と安全性の面で自分にとって最良なのだろうか。著名な医師が薬や病気についてメディアで語る内容は信じられるのだろうか。

そんな疑問を持ったことはありませんか?

米国では、製薬会社から医師への2,000円ほどの飲食の提供で、その医師の処方が変わるという研究もあります。医師による薬の処方やメディアでの発信を監視するには、医師と製薬会社との利害関係を「透明化」することが重要です。

探査報道メディア・Tansaと特定非営利活動法人の医療ガバナンス研究所は、製薬会社から医師個人に支払われた金銭を誰もが調べられるデータベースを作成しました。土台になったのは、製薬会社が自らのホームページで公開しているデータです。2016年度から公開を続けており、2017年度版、2018年度版とこれまでに3年度分が完成しました。

みなさんへの適切な薬の処方に役立つことを私たちは期待し、データベースの公開を継続します。

また、データベースを使用された方への意識調査を行っています。10分程度で終了しますので、ぜひご協力をお願いいたします。詳細は以下をご確認ください。
https://jp.surveymonkey.com/r/QCNP68W

3年間の成果

これまで私たちが公開してきたデータベースは、3年度分になりました。2019年、文部科学省は、この製薬マネーデータベースを調査に使用しました。その結果、2016年度に2,000万円以上を得た大学教授は7人いたことを発表し、国会で大学に対して医学部医師の兼業規定や倫理規定の見直しを求める考えを表明したのです。

このデータベースを活用した報道や研究で上げてきた成果をお伝えします。

報道

  • 2016年度に製薬会社からの謝金などを年間1,000万円超受け取っている医師が110人おり、 総額は266億円に上っている(2018年6月8日)
  • 2017年度製薬マネーベースで、医師個人に273億円、学会・大学研究室などに357億円の資金提供が行われていることがわかった(2019年5月26日)
  • 文部科学省が大学の勤務医を対象にした調査で、製薬会社から1,500万円超の報酬を得た医師が29人いた。そのうち10人が糖尿病の専門医、8人が循環器内科医だった。(2019年11月7日)
  • 香川大教授、認知症薬の製薬6社から年間1900万円超の副収入。論文では第一三共の認知症薬を「ごまかし」て評価していた(2020年10月30日)

医学論文

シンポジウムなど

  • 世界探査報道ジャーナリズムネットワーク(GIJN)アジア大会in韓国(2018年10月)
  • GIJN世界大会inドイツ(2019年9月)
  • オンランシンポ「医師は製薬会社の歯車か」(2020年8月8日)
    https://youtu.be/R7UDDFs3zsM
  • 「現場からの医療改革推進協議会」第15回シンポジウム(2020年11月7日)

「マネーとデータベース」を公開する理由

私たちは探査報道「製薬マネーと医師」を開始した際、以下のような問いかけを読者のみなさんにしました。このデータベースを公開するに当たってもう一度これを紹介します。

薬害HIVの被害者である花井十伍さんに話をうかがったことがあります。

血友病患者に投与された非加熱製剤が問題になる前のことです。血友病の子どもたち、親、医師らが、その非加熱製剤を扱っている製薬会社のサポートで、治療法を学ぶキャンプがありました。参加者の中にはその後、エイズで亡くなった少年もいました。

一緒に参加した医師は「医師も製薬会社も頑張ったのに、なんでこんなことになったんだろう」と振り返ったそうです。

花井さんはこう思ったそうです。

ーー「みんな頑張った」じゃなくて、薬害エイズは防げたんだ。誰かが処方したから薬害になったんだ。「国が薬を安全だと言った」と言い訳する医者がいるが、それなら処方権を放棄しろといいたい。

私たちが「マネーデータベース『製薬会社と医師』」を公開するのも、医師は患者のことを第一に考える存在であってほしいと願うからです。医師は産業の歯車ではありません。
製薬会社は医師との利害関係を透明化した上で、患者さんの命と健康を守る薬を売ってほしい。
そして、患者のみなさんがこのデータベースを利用し、当事者として適切な治療が行われているかどうかに目を向けてください。これがこのデータベース公開の目的です。

情報の透明化を目指して

医師が、金銭の支払いを受けた製薬会社の薬の処方を優遇することはないかーー。この疑問を解消するためには、情報の透明化を進めるしかありません。

製薬会社の売り上げの約9割は、医師の処方箋が必要な「医療用医薬品」です。製薬会社が利益を増やすには、医師に処方箋を書いてもらう必要があります。薬を「消費」するのは患者でも、製薬会社にとっての「顧客」は医師という関係性があります。
日本ではこうしたデータベースがありませんでした。このため、特定の医師が受け取った金銭を製薬会社間で比べることができません。

10社から合計で1000万円受け取るのと、1社から1000万円受け取るのとでは利害関係の強さがまるで違うのに、比較ができないのです。

日本学術会議は2014年3月、製薬会社でつくる日本製薬工業協会(製薬協)に対して、データベースを作成するよう提言しました。医師が薬を処方する権限を持ち、人の命と健康を左右する公人である以上、当然の提言だと思います。

しかし製薬協はデータベースを作成していません。厚生労働省など公的機関もデータベースを持っていません。そのため、私たちは自らの手でデータベースをつくっています。

製薬各社のホームページには、データを取り込みにくくする障壁があり、作業は困難を極めました。初年度版の作成には3000時間超を要しました。

このデータベースは、医療現場の透明化を大きく前進させることでしょう。上に述べた公開の趣旨と目的を踏まえ、このデータベースが適切に利用されることを希望します。

当サイトの使い方

データベース有効活用のヒントを、ビデオで解説しています。ご自身の関心分野に合わせて検索し、データベースを最大限ご活用ください。

データベースの使用に当たってのお願い

データベースは、製薬各社がホームページ上で公表している医療関係者への支払い情報に基づいて作成しています。正しく表示されるよう精査していますが、氏名、組織名、金額の誤記または脱落がある可能性もあります。
誤りにお気づきになりましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

製薬会社が公表した情報に誤りがある場合は、当該製薬会社にご相談ください。

メディアまたは研究者の方が当データベースを利用し記事や論文を公開される場合には、必ずデータベース名と作成を行った2団体のクレジットの記載をお願いいたします。

同姓同名の方もおり、可能な限り判別してアルファベットで表記しました。判別できなかった場合は「判別不能」としています。
年度ごとに集計しているため、2016年度と2017年度に「例:山田太郎a」という方がいた場合、同一人物とは限りません。
また、氏名の漢字は新字体で表記していますが、一部に表記の揺れなどがあります。旧字体がある場合は旧字体でも検索ください。